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日向楯(宮城県涌谷町) [古城めぐり(宮城)]

IMG_2874.JPG←周囲の帯曲輪
 日向楯(日向館)は、歴史不詳の城である。現地標柱などによれば、古く天平勝宝年間(749~757年)に黄金奉行として入来した第獄日向守の居館であったと伝えられている。事実かどうかは確証がないが、日向楯やその近辺の「城山裏土塁」など古代(8世紀~12世紀末)の役所や公的施設があった可能性が高い遺構が確認されており、律令国家の北辺に位置する小田郡の重要地点として、天平産金に大きな役割を果たしていた可能性が推測されている。そうなると、東大寺の大仏造営と密接に関係していた遺跡ということになろう。

 日向楯は、比高40m程の山稜南端のピーク上に築かれており、現在は妙見社が建っている。山頂はほぼ平らに削平されており、周囲に帯曲輪が確認できる。標柱には西側に空堀跡があると書かれているが、確認できたのは帯曲輪だけで空堀は確認できなかった。いずれにしても、古代の古い施設であったのだろう。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.545791/141.137795/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。
タグ:古代平山城
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