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特別企画展「中世宇都宮氏」 [雑感]

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栃木県立博物館(通称、ケンパク)でやっている、「中世宇都宮氏」っていう特別企画展がすごいです。
国宝・重文の出展多数で、質・量ともにすごいので、2時間じゃ全然見きれず、閉館になってしまったほどでした。

宇都宮市ではこれまで、江戸時代の宇都宮城主(家康の重臣本多正純とか、戸田氏とか)のことばかり取り上げてきていて、北関東屈指の名族宇都宮氏をほとんど無視してきたような状態でしたが、ここに来てようやくこうした大規模な企画展が開催されたのは嬉しい限りです。

これだけの質・量の出展が、たったの1200円で堪能できるなんて、都内の博物館じゃ考えられない話です。おまけに都内なんて、参観者だらけで展示物をゆっくり見ることもできないし。

出展物は、単に宇都宮氏に直接絡むものだけでなく、小田原北条氏関係や、それこそ何の関係があるんだ?的な真田まで網羅されているので、カバー範囲もとても広いです。
中世史好きには堪らない内容で、ものすごいオススメなので、都合つく方はぜひ足を運んでみて下さい。

それにしても、法然・親鸞の宗教活動にこれほど宇都宮氏が深く関わっていたとは、今回の展示会とその解説を聞くまで知りませんでした。

http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/exhibition/kikaku/170916utsunomiyashi/index.html
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上林城(京都府綾部市) [古城めぐり(京都)]

IMG_0298.JPG←天守台?の石垣
 上林城は、生貫山城とも言い、上林谷一帯を支配した豪族上林氏の居城である。上林氏は、黒井城主赤井氏の庶流で、足利尊氏に従って軍功を挙げた赤井秀家が、何鹿郡上林庄に入部して上林氏を称したと言う。上林城は、戦国前期の天文年間(1532~55年)に、上林下総守晴国によって築城され、以後その居城となったとされる。この頃が上林氏の最盛期であったらしく、1533年の光明寺再建奉加帳には上林一族11名が有力施主として名を連ねた。戦国後期になると、明智光秀勢の上林庄侵攻などにより上林氏の勢力は弱まり、結局はこの地からの退転を余儀なくされた。上林氏の一流は、戦国前期より山城国宇治で茶業にたずさわっており、後に宇治の茶舗上林家として有名になった。上林氏退転後、1601年に藤懸永勝が上林庄に6000石で入部して、上林城下に陣屋を築いて幕末までこの地を治めた。

 上林城は、上林川南岸の標高199.3m、比高60m程の古城山に築かれている。城跡は公園化されており、主郭まで車道があるので一部破壊を受け、改変されている部分が多いが、城の形は概ね辿ることができる。山頂に主郭を置き、東下方に東曲輪、更にそこから降る形で主郭北斜面に馬掛曲輪という名の幅広の腰曲輪が築かれている。その他には、南尾根に南曲輪、南西尾根に西曲輪が築かれている。また馬掛曲輪から南に1段下がった腰曲輪には井戸跡が残っている。馬掛曲輪から西に降る尾根にも北西曲輪があるらしいが、未整備なのと雨天だったため未見である。いずれの遺構にも目新しさが無く、技巧性も感じられないが、主郭にだけ後部に天守台とも考えられる大きな土壇があり、その前面には石垣が築かれている。改変が多いせいもあって、全体的にはあまりパッとしない城である。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.359735/135.406601/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:中世山城
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