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林城[中城](茨城県鹿嶋市) [古城めぐり(茨城)]

IMG_3774.JPG←外郭北端の大空堀
 林中城は、鹿島城主鹿島氏の一族林氏の居城である。すぐ南に隣接して林外城があるが、「外城」に対して「中城」と呼ばれることから、林氏の平時の居城は林中城で、有事の際の詰城として林外城を築いていたと考えられる。林氏の事績については林外城の項に記載する。

 林城は、前述の通り中城と外城の2つの城が、低地帯を挟んで向かい合う台地先端部に築かれている。中城は北側に位置し、台地南端の突出部の基部を堀切で分断して区画した、ほぼ五角形状の城である。主郭内は空き家ではあるが民有地なのでここへの不法侵入を避け、南斜面を直登して外周から遺構を確認した。主郭の外周には数m低い位置に腰曲輪が廻らされ、腰曲輪の外縁部には低土塁が築かれている。この腰曲輪の南端付近に竪堀状の虎口が付いている。腰曲輪の藪を突っ切って、東側から主郭背後に回ると堀切が穿たれているが、この堀切はそれほど大規模なものではない。一方、主郭の北側に広がる民家が立ち並ぶ台地は、明らかに往時の家臣団居住地で、いわば中城の外郭に当たる。外郭の北限には枡形跡の鉤の手道路が残り、その両側に外郭遺構が残っている。ほぼ南北に小道が台地を横断しているが、往時の堀切の跡と思われる。この堀跡道の北端脇には大空堀が現存し、その脇に櫓台が築かれている。この空堀の先は台地西側の腰曲輪に繋がっている。腰曲輪は延々と南に伸びているようだが、その先は民家裏なのであえて踏査しなかった。以上の様に、外城と比べると居住性を重視した造りのため、見劣りするのは否めないが、それでも往時の雰囲気はよく感じられる。
低土塁のある主郭腰曲輪→IMG_3682.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.010089/140.612018/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:中世崖端城
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