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藤沢館(宮城県栗原市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_2284.JPG←主郭切岸と空堀
 藤沢館は、小野寺氏の居城と伝えられている。奥州合戦後の1192年、小野寺左馬介信氏が源頼朝の命により奥州総奉行葛西清重の幕下として奥州に下向し、1200貫の知行を拝領して、藤沢館を居城としたとされる。以後、小野寺氏歴代の居城となった。室町時代頃には栗原・遠田郡に1700貫の所領を持つに至り、戦国期には大崎氏に属したが、1590年に太郎左衛門信春の代で豊臣秀吉の奥州仕置により滅亡したと言う。尚、小野寺氏にはいくつかの系統があるが、藤沢館の小野寺氏は、下野国小野寺郷を本貫とする小野寺氏の一族か、或いは奥州千葉氏の庶流とされる小野寺氏の一族か、どちらかであろう。

 藤沢館は、JR瀬峰駅西側の比高30m程の丘陵上に築かれている。北に隣接する観昌寺の墓地への参道入口脇に城址標柱が建ち、参道の途中から山林に突入すれば、すぐ城址に至る。ほぼ全周を土塁で囲み、周囲を空堀で防御した単郭の城である。主郭は方形に近い形状の曲輪で、西へ行くほど土塁と空堀の規模が大きくなっており、最大で深さ4~5m程に及ぶ。一方で東側は土塁が小さく、空堀もかなり浅くなっている。この東面に大手虎口があり、土橋が架けられている。郭内の北東部には井戸跡も残っている。また空堀の外周にも土塁が築かれており、その外側に腰曲輪らしい平場も散見される。遺構は以上の通りで、縄張りに面白みはないが、空堀・切岸の規模が大きく見応えがある。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.655874/141.070654/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:中世平山城
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