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秋保上館(宮城県仙台市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_3475.JPG←帯曲輪と切岸
 秋保上館は、上館城とも呼ばれ、秋保郷の土豪秋保氏の庶流馬場秋保氏の城である。戦国時代に秋保氏15代盛房の弟、馬場盛義が馬場村に分封されて馬場秋保氏の祖となり、上館を築いて居城としたと言われている(盛房の次男、賀沢左衛門が城主であったという説もある)。その後、永禄年間(1558~69年)に孫の定重が豊後館を築いて居城を移すまで、その居城となった。

 秋保上館は、名取川支流の南岸に張り出した舌状丘陵先端に築かれている。主郭には現在、馬場愛宕神社が建てられており、参道の階段があるので、簡単に登ることができる。主郭は北側は急峻な断崖となっているが、南側は比較的緩い斜面となっているため、ここに4段の帯曲輪群が築かれている。台地基部に当たる主郭の西側には堀や土塁状の地形が見られる。複雑に派生・屈曲した形をしており、通常の堀切とは形状が異なっている。遺構かどうか悩ましいが、しかし土塁は土が固いので遺構の様である(麓の解説板にも空堀があると記載されている)。堀の北端は掘り切られておらず、土橋で連結されている。この他、主郭の東の急峻な斜面下にも円弧状に空堀が取り巻いている。秋保上館は、遺構は残っているが小規模な城館で、あくまで居館機能を主眼としたものだったと推測される。

 尚、城の名称であるが、普通は単に「上館」と呼ばれるが、上館という城館は各地にあるので、ここでは他と区別する便宜上、「秋保上館」として記載した。
空堀北端の土橋→IMG_3519.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.271509/140.646780/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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