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高友古塁(茨城県石岡市) [古城めぐり(茨城)]

IMG_4595.JPG←外周の空堀、上は丸山古墳
 高友古塁は、高友古館とも呼ばれ、歴史不詳の城である。一説には、佐志能神社の神官の居館があったとも言われるが、確証はない。

 高友古塁は、柿岡市街地の北方に位置する標高60m、比高40m程の独立丘陵(高友丘陵)に築かれている。城内には丸山古墳があり、これを物見台としての利用か、宗教的な意図で、取り込んだ形で築かれている。公園化されているので、夏でも訪城できるだろう。基本的に外周に空堀を廻らしただけの単郭の城砦であるが、方形ではなくややひしゃげた扇形形状をした比較的珍しい曲輪形状である。曲輪内部はやや傾斜している他、古墳以外にもなだらかな土盛りが見られる。曲輪外周には低土塁が確認できるが、虎口付近を除いてあまり防御を意識していないレベルのものである。虎口は現在公園の入口となっており、公園化の改変の可能性も考えられるが、この入口付近だけ土塁が重厚に築かれているので、往時の虎口もあったのではないかと推測される。空堀は全周を囲繞し、最大で深さ4~5m程もあり、比較的規模が大きい。空堀の外側にも土塁が築かれており、この土塁は内側のものよりはっきりと残っている。高友古塁は、単郭の簡素な構造の城砦であるが、それにしては曲輪の面積が広い。丸山古墳に祀られた豊城入彦命(崇神天皇の第一皇子)を守護神として祀る神官の居館があって、祭祀を司ったものという見方もあり得るが、個人的には古代のチャシに似ている印象を受けた。

 尚、ここの丸山古墳の解説板で、初めて前方後方墳と言う形態を知って珍しいと思ったが、後で調べると東日本には多い形態らしい。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.252138/140.198936/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0
タグ:中世平山城
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