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福島城(長野県須坂市) [古城めぐり(長野)]

IMG_6243.JPG←城址標柱と解説の石碑
 福島城は、北信を巡る甲越両軍の抗争期に築かれた城である。弘治年間(1555~58年)から1585年までのわずか30年間だけ存在した城であった。大岩城主須田満親の弟須田左衛門尉によって築かれたとされる。戦国時代に武田信玄が川中島に進出すると、帰趨を巡って須田氏は二家に分裂し、武田氏に属して高井郡に留まった須田信頼の系統と、上杉氏に付いて越後に去った須田満親の系統に分かれたが、左衛門尉は武田氏に降って兄満親の所領を給わり、福島城を築いて移ったと言う。1582年、武田氏・織田信長が相次いで滅亡し、上杉景勝が北信濃四郡を支配すると、左衛門尉は上杉氏に降って本領を安堵されたが、1584年の麻績城での抜け駆けを咎められて所領を削られたため、反逆を企て、福島城を増築した。長沼城代島津淡路守忠直は、指揮下の夜交・寺尾・保科・大室らの諸氏と長沼城在番の諸将を率いて福島城を攻撃した。左衛門尉は島津氏の足軽大将武藤団兵衛と戦って討死にし、福島城は廃城となった。

 福島城は、存続期間が短かったため、早くにその遺構は失われたらしく、戦後間もなくの航空写真を見ても、既に城の輪郭は認められない。現在、福島宿東側の果樹園の中に標柱と解説の石碑が立っているだけである。この地は、古くは北国街道と大笹街道が分岐する所で、千曲川の布野渡しを押さえる交通の要衝であったと言う。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.641806/138.267210/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1


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