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新井田城(宮城県大崎市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_9851.JPG←主郭西側の土塁と堀跡
 新井田城は、大崎合戦の導火線となった大崎氏家中の内乱を起こした、新井田刑部少輔隆景の居城である。隆景は大崎氏の重臣狼塚城主里見紀伊隆成の子で、天性の美少年であったと言われ、主君大崎義隆に小姓として近侍し、その寵愛を恣にした。1586年、隆景が寵を失って失脚し、代わって伊場野惣八郎が大崎義隆の寵を受けた。座を奪われた隆景は、主君義隆を自身の居城新井田城に強制的に軟禁して名目を固め、伊場野惣八郎を保護した岩手澤城主氏家弾正吉継を討とうとした。窮した吉継は、片倉景綱を介して伊達政宗に援軍を要請したことで、伊達勢による大規模な軍事介入を誘発した大崎合戦が生起することとなった。伊達勢は大軍であったが、折からの降雪と厳寒で大敗を喫した。しかし大崎方も伊達勢の攻勢に抗し続けるだけの力はなく、結局伊達氏との間で和睦が結ばれた。大崎氏の内乱の傷は深く、結果的に伊達氏に服属し、政宗は大崎地方に覇権を確立することとなった。

 新井田城は、江合川南岸の平地に築かれている。城址は現在宅地となっているが、その北辺と西辺に土塁と堀跡の溝が残っている。改変が進んでいるので、往時の縄張りははっきりしないが、方形の主郭であったと思われ、現在の宅地の形状として明瞭に残っていると推察される。東側の道路も堀跡であったと思われる。またこの地には「南構」の地名が残っているが、北側に新田(新井田)宿があることから、宿に対して南方に構えられた城ということなのだろう。遺構はわずかだが、大崎氏の歴史では重要な城である。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.594921/140.925997/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1


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