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柏尾館(長野県飯山市) [古城めぐり(長野)]

IMG_0860.JPG←北東角の土塁・空堀跡
 柏尾館は、現地解説板では柏尾南館と表記され、高梨氏に関わる豪族の居館と考えられている。1392年の高梨朝高の史料に「柏尾郷」が高梨領と見え、高梨氏の支配領域となっていたことがわかる。また戦国期の記録には「柏尾ノ備中守殿」との記述があることから、この頃には高梨氏に関わる備中守と呼ばれた武士が居住していたと推測されている。戦国後期に甲斐武田氏の勢力がこの地域まで伸びてくると、高梨氏は上杉謙信を頼って越後に逃れ、高梨氏退転後は武田氏に服属した市河氏がこの地を支配した。武田勝頼・織田信長が相次いで滅亡すると、柏尾郷を含む北信4郡は上杉景勝が支配した。この武田氏支配時代から上杉氏支配時代にかけて柏尾館が存続していたかは不明である。いずれにしても1598年の上杉氏の会津移封後は廃館になっていたと考えられている。

 柏尾館は、千曲川東岸の緩斜面中腹に築かれた単郭方形居館である。現在郭内は農地となっているが、周囲には切岸・土塁が明瞭に残り、その外周の空堀はわずかに低い農地となって名残を留めている。農地化による改変があるものの、旧状をよく残しており、南西角には解説板も立てられている。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.909017/138.405837/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0


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タグ:居館
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