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平林館(長野県野沢温泉村) [古城めぐり(長野)]

IMG_0891.JPG←北西辺の土塁
 平林館は、市河弥六経高及びその子孫の平林氏の居館である。元々は市河盛房・助房などの総領家が相伝していたが、南北朝期の1343年に平林村は総領家から一族の経高に譲られた。その後経高は南朝に属したため、1356年に北朝方の攻撃を受けた。その後時代は下って天正年間(1573~92年)には、平林蔵人がこの地に拠り、上杉景勝に服属していた。1598年に上杉氏が会津に移封となると、平林氏もこの地を離れ、廃館となった。

 平林館は、千曲川南東の段丘上の小丘の上に築かれ、現在国中平神社の境内となっている。方形単郭居館で、現在も神社の周囲に土塁が残っている。野沢温泉村ではこれを「館城土塁」と称している。この土塁は、北西辺では二重土塁の様になっている。主郭の外周には一段低い平場が取り巻いており、腰曲輪となっていた様である。ささやかな遺構に過ぎないが、小丘頂部にあり城砦の雰囲気は残っている。尚、以前は境内に解説板があったらしいが、現在はなくなってしまっている。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.942363/138.432938/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0


縄張図・断面図・鳥瞰図で見る信濃の山城と館〈8〉水内・高井・補遺編

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  • 作者: 宮坂 武男
  • 出版社/メーカー: 戎光祥出版
  • 発売日: 2014/01/10
  • メディア: 単行本


タグ:居館
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