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豊龍館(山形県朝日町) [古城めぐり(山形)]

IMG_3585.JPG←主郭の現況
 豊龍館は、戦国期の鳥屋ヶ森城主岸美作守の館と考えられている。東五百川の大部分と山辺の一部を支配していたという。現地の石碑の碑文によれば、1494年、岸民部義忠が鳥屋ヶ森城主となりこの地を治め、その子孫が岸美作守義満で豊龍館に居住したらしい。前田沢楯と共に鳥屋ヶ森城の支城として機能したとされるが、支城と言うよりは平時の居館と言う方が相応しい様に思う。

 豊龍館は、最上川東岸に突き出た標高189.4mの舌状台地に築かれている。現在は豊龍の丘公園となって改変を受けている。台地の付け根から先端に向かうに連れて徐々に高くなり、先端の主郭部が一番高くなっている。主郭と東の平場の間は7~8m程の高低差がある。『山形県中世城館跡調査報告書』に「2本の空堀の一部が残る」とされるのがこの段差部らしいのだが、公園化による改変が多く、腰曲輪の様にしか見えない。主郭北端に土壇があり、櫓台か土塁の跡らしい。また主郭外周には帯曲輪が遊歩道に変貌して残っている。この他、主郭東の平場の周りに土塁状の土盛りがあるが、これは遺構ではないのだろうか?虎口っぽい地形もあり、非常に紛らわしい。立派な城址碑が建っているが、とにかく改変が多く、遺構としてはかなり不明瞭なのが残念である。それと、なぜか北側の眼下にダチョウ!が放し飼いされているのにはビックリした。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.304638/140.141945/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


東北の名城を歩く 南東北編: 宮城・福島・山形

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2017/08/21
  • メディア: 単行本


タグ:中世崖端城
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