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八崎城(群馬県渋川市) [古城めぐり(群馬)]

IMG_6669.JPG←主郭の空堀
 八崎城は、白井長尾氏の支城である。本城である白井城の南方を押さえる重要な支城で、長尾景春・憲景などがしばしば在城し、長尾景仲も城主となったことがある。しかし普段は城代を置いて守らせていたと推測されている。戦国後期には、上杉・北条・武田の三大名による覇権争いの中で白井城と共に八崎城の帰属も変転し、戦国末期には北条氏の支配下にあった。1590年の小田原の役では、前田・上杉らの北国勢の攻撃を受けて開城した。

 八崎城は、利根川とその支流東川に挟まれた段丘先端部に築かれている。南端に主郭を置き、その北側にニノ郭・三ノ郭があり、それらの西側に西曲輪、更に主郭から東川の深い渓流を挟んだ南東の段丘上に新曲輪を築いている。現在明確にその姿を残しているのは主郭だけである。主郭の北側には深さ5m程の規模の大きな空堀が穿たれ、しかも西側で横矢掛かりのクランクが見られる。主郭東側は東川によって削られた断崖絶壁となっている。主郭内は民有地で廃屋が残っているが、現在は入口に解説板が立ち、空き地となって開放されている。ニノ郭以降の曲輪は、住宅地に変貌し、堀跡は車道に変貌していてほとんどその痕跡を見出すことはできない。新曲輪も耕地化で遺構は失われている。ちなみに解説板によれば、度重なる風水害で大部分が崩れ去っているとされ、主郭や西曲輪はもっと規模が大きかったらしい。いずれにしても主郭周りの僅かな遺構しか残っておらず、残念である。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.484141/139.025331/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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