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城ノ内遺跡発掘調査説明会2019(栃木県上三川町) [城郭よもやま話]

IMG_9736.JPG←今回発掘された大溝
 昨夏の7月21日に、多功城に程近い城ノ内遺跡において、発掘調査説明会が開催された。説明をしていただいた調査員の方から発掘現場の写真をブログなどに載せないように話があったため(最近は調査現場から遺物の盗難等があるらしく、それを防ぐための処置らしいです)、これまで掲載を控えていたが、そろそろ時効になったと思うので、ここに掲載する。

 城ノ内遺跡は、2018年の発掘調査で奈良・平安時代の遺構の他に、多功城に関連すると推測される中世の堀状の溝3条が見つかっている。今回は前年の遺構の延長上に何があるかが確認された。奈良・平安時代の遺構では、3棟の掘立柱建物跡や柱穴列が見つかった。石帯と呼ばれる役人などの身分を示すベルト飾りも見つかっている。
 肝心の中世の遺構では、前年に見つかった3条の堀状遺構の内、最も規模の大きな真ん中の大溝の延長線が確認された。前年の溝は一直線に伸びていただけだったが、今回発掘された西側では、大溝は直角に南に曲がり、更に一直線ではなくわずかな折れ歪が設けられていた。今回の調査区域では、そのまま南南西に伸びて終わっており、大溝の全容はまだ確認できていない。溝の大きさは幅5m、深さ2m程で、中から発見された土器から15~6世紀の遺構と推測されている。ただ溝は、掘ったそばから水が湧き出して来るということで、堀底まで確認することはできていないとのこと。いずれにしても、溝が多功城の堀跡であるとすれば、江戸時代の古絵図のどの部分に当たるのか、今後の検討課題であるとのこと。

 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.428672/139.871342/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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