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弥八ヶ館(宮城県加美町) [古城めぐり(宮城)]

DSCN6508.JPG←主郭南東の堀切
 弥八ヶ館は、大崎義隆の家臣渋谷新左衛門の居館と言われている。現地標柱には、「葛西氏時代に渋谷新左衛門の居館、大崎氏時代には侍大将木舟与惣右衛門の居館」と書かれているが、この地が葛西氏に支配されたことはないはずで、この内容には疑問がある。

 弥八ヶ館は、田川西岸の低台地の辺縁部に築かれている。田んぼの北側を通る未舗装路のすぐ脇の小高い台地にあり、2つ乃至3つの曲輪で構成されている。北西にあるのが主郭と思われ、西辺部に円弧状の堀切・土塁が築かれている。堀切南端の東側には虎口が確認できる。主郭の南東には土塁の先に堀切が穿たれている。その先に小さな笹曲輪があり、南西に腰曲輪が築かれている。笹曲輪の先も堀切が穿たれている。この堀切の底にはU字溝が敷設されており、改変があるが、堀切自体は往時の遺構と推測される。その南東には、縦長の台地が続いているが、城域かどうか判然としない。ほとんど自然地形に近いが、土塁状の地形もあり、外郭であった可能性もある。この台地の先端部は小川で区切られている。以上が弥八ヶ館の遺構の概要で、小規模な城館である。尚、前述の標柱は、館跡から北西に350m程離れた車道脇に立っている。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.593998/140.782832/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


中世城郭の縄張と空間: 土の城が語るもの (城を極める)

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  • 作者: 松岡 進
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2015/02/27
  • メディア: 単行本


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