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八幡館(栃木県大田原市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN1019.JPG←横矢掛りの堀切
 八幡館は、黒羽城の前身となる城である。那須氏の重臣角田氏の居城で、角田庄右衛門の築城と言われる。角田氏は三浦氏の後裔を称し、後に大関氏に従った。天正年間(1573~92年)に大関氏が八幡館に入って黒羽城を築くと、角田氏は奥沢館を築いて移り、奥沢氏を称したと言う。

 八幡館は、黒羽城中心部の北東にやや離れて位置し、黒羽城が拡張整備された際にその外郭の一部となったらしい。黒羽体育館が建つ黒羽城二ノ丸の北東に上城(石上台)と呼ばれる一郭があるが、ここから北が八幡館の城域となる。上城・本館・北館の3郭が南北に並んだ連郭式の縄張りとなっている。上城の郭内は、宅地・山林・畑となっており、南半分は大きく改変を受けている。上城の北には横矢掛りのクランクがある大きな堀切が穿たれている。この堀切に沿って、上城側には土塁が築かれているが、主郭である北の本館側にはほとんど土塁がない。従ってこの部分は黒羽城築城の際に大きく改修されたことがわかる。堀切の北は縦長の本館で、主郭に相当する。広い曲輪で東西に腰曲輪を伴っている他、東側の一部には車道脇に横堀が残存している。本館の北端近くには鎮国神社が建ち、北端を幅広の堀切で分断している。その北には舌状の北館があり、北館の北端部には数段の段曲輪が築かれて城域が終わっている。遺構を見る限り、八幡館は黒羽城築城の際に大きく改修されている様で、当初の姿は想像する他ないが、黒羽城の北の外郭遺構としても立派な姿を残している。
本館北側の堀切→DSCN1060.JPG
DSCN1105.JPG←車道脇に残る横堀

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.873270/140.123974/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0


戦国の城の一生: つくる・壊す・蘇る (歴史文化ライブラリー)

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  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2018/09/18
  • メディア: 単行本


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