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尻高田要害(栃木県大田原市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN0952.JPG←主郭外周の横堀
 尻高田要害は、那須七騎の一、伊王野城主伊王野氏が天正年間(1573~92年)に佐竹氏の侵攻に備えて築いた城と伝えられている。この地は伊王野からは離れているが、伊王野氏の所領であった。

 尻高田要害は、野上川西岸の標高336m、比高90mの山上に築かれている。北麓に発電設備と掲示されフェンスで囲まれた小屋があり、その脇を山に入る小道が通っている(小川に架かる丸太の小橋がある)。その道は、北尾根の東斜面を登っていくが、途中で道がわからなくなったので、適当なところから北尾根に登り、あとは細尾根を南に登っていけば城に至る。最初に現れるのが前面の円弧状の堀切で、その手前には土塁が築かれ、堀切の両側は竪堀で落としている。また堀切の西側には帯曲輪が延々と伸びている。この時は帯曲輪を先まで追うことはしなかったが、スーパー地形で見ると延々と二ノ郭の西から南まで巡って、二ノ郭背後の堀切まで繋がってる様である。最初の円弧状堀切の上には主郭外周を廻る横堀が構築されている。主郭が楕円形をしているので、横堀もそれに沿って半円形になっている。横堀の北には竪堀状虎口があり、北東部にも竪堀が落ちている。横堀の南東端部も竪堀となって落ちている。楕円形の主郭内には段差があるが、郭内はイノシシで荒らされており、表土が至る所でほじくり返されてしまっている。主郭の背後には堀切を挟んで二ノ郭がある。二ノ郭は劇薮で、ほとんど踏査できない。二ノ郭の南には二重堀切が穿たれている。二ノ郭の南東にはくの字状の尾根に築かれた三ノ郭がある。三ノ郭の南から西にかけても横堀が穿たれて、城域が終わっている。横堀を多用した城であるが、横矢掛りは見られず、縄張りにはあまり技巧性は感じられない。
三ノ郭外周の横堀→DSCN0930.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.859862/140.170108/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


関東の名城を歩く 北関東編: 茨城・栃木・群馬

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  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2011/05/31
  • メディア: 単行本


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