SSブログ

羽黒山要害(栃木県大田原市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN1112.JPG←下から見上げた2段の帯曲輪
 羽黒山要害は、この地の土豪大久保氏が築いた城と考えられている。北西麓の平地には大久保氏の居館である大久保館があり、それに対する有事の際の詰城であったのだろう。

 羽黒山要害は、前松葉川と木佐美沢の合流点南側にそびえる標高373m、比高130mの羽黒山に築かれている。北麓に木佐美沢を渡る小さい橋があり、そこから登城した。途中まで山道があるが、東の谷沿いに登っていってしまい、挙句の果てに道が消失してしまうので、適当な所から右手の北尾根に取り付いて、尾根筋を登った。尾根にはわずかな踏み跡があり、それを登っていくと、途中に曲輪らしい平場と堀切が現れる。主郭は更にしばらく登った位置にある。山頂の主郭には羽黒山神社が祀られ、黒羽山の会が設置した「羽黒山 373m」というプレートがある。主郭は小さな円形の曲輪で、わずかに土塁も見られる。主郭の外周には、北西から南・南東にかけて、2段の帯曲輪が廻らされている。下段の帯曲輪は土塁を伴って横堀状になっている。東に尾根を降っていくと、広い緩斜面が広がっており、明確な普請の跡はあまりないが外郭だったと思われる。外郭のある尾根は南東に降っていて、その先にわずかな段差があって腰曲輪が築かれている。その先には物見台のような高台があり、その先を明確な堀切で尾根筋を分断している。以上が羽黒山要害の遺構で、規模は小さいものの普請は明確であり、詰城らしい様相を示している。
北尾根の堀切→DSCN1106.JPG
DSCN1129.JPG←主郭
横堀状の帯曲輪→DSCN1149.JPG
DSCN1169.JPG←南東端の堀切

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.905431/140.167469/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


中世の下野那須氏 (岩田選書 地域の中世)

中世の下野那須氏 (岩田選書 地域の中世)

  • 作者: 義定, 那須
  • 出版社/メーカー: 岩田書院
  • 発売日: 2017/06/01
  • メディア: 単行本


タグ:中世山城
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー