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孫次山砦(富山県砺波市) [古城めぐり(富山)]

DSCN0390.JPG←二重堀切
 孫次山砦は、増山城砦群の北端に位置する山城である。歴史は不明であるが、神保氏によって築かれたものであろうか?

 孫次山砦は、亀山城から谷戸を一つ挟んだ北の山稜上に築かれている。城内はかなりの部分が未整備の薮に覆われており、遺構の確認がなかなか大変である。南の車道脇から登道があったらしいが、私は知らなかったので亀山城主郭から北斜面を降って鞍部の腰曲輪を越えて訪城した。城は、西の円形の小さな曲輪と、東の「く」の字に曲がった曲輪と、大きく2つの曲輪群に分かれている。これら2つの曲輪群は中規模の二重堀切で分断され、一城別郭の縄張りとなっている。主郭は西の円形の曲輪と考えられ、細尾根で繋がった西側に突き出た舌状曲輪が付随している。これらの南側下方には何段かの腰曲輪が築かれて、亀山城との間の鞍部に至っている。一方、東のくの字形の曲輪は、二ノ郭と思われるが、郭内は削平が甘くほとんど自然地形に近い。しかしくの字の屈曲部から東に伸びる尾根には2本の堀切が穿たれ、二ノ郭の南下方にも帯曲輪と竪堀が構築されている。そして、北東斜面には土塁を伴った帯曲輪があり、また南東斜面にはかなり広い腰曲輪がある。この腰曲輪の北端の脇には、深い竪堀が長く落ちている。
 以上が孫次山砦の遺構で、砦にしては堀切がゴツく、腰曲輪脇の竪堀も長く、単なる物見のレベルではない。増山城の北方防衛の砦として重視されていたことがうかがえる。
長い竪堀→DSCN0463.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.656689/137.045603/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


富山県の歴史 (県史)

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  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2011/01/01
  • メディア: 単行本


タグ:中世山城
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