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武居城(長野県朝日村) [古城めぐり(長野)]

DSC07477.JPG←三郭の先の二重堀切
 武居城は、鎌倉時代の末期に洗馬庄に入部した三村氏が築いたといわれている。16世紀始めに三村氏が本拠を芦の田に移すまで最も重要な城であったという。しかしその後も城は存続したようで、現在見られる縄張りは、明らかに戦国後期の築城技術を見せつけるものである。
 城は、朝日村西洗馬地区にある標高871mの城山に築かれている。麓からの比高は70m程であるので、長野の山城としてはかなり低い部類である。城址公園として登山道などが整備されているが、遺構の改変はなくほぼ完存している。かなり変わった独特の縄張りを持っていて、その中心をなすのは主郭と二郭であるが、その防御構造が面白い。主郭の周りをぐるっと渦巻状に3/4周する帯郭が取り巻いている。主郭への登城道を兼ねているようである。その西側下方には一直線に横堀が伸びていて、登山道を登ってくると、この横堀に出る。この横堀からは、なんと8本もの竪堀が作られている。これは東斜面に比べて緩やかな西斜面の防御性を高めるために作られたもののようである。主郭および二郭から派生する尾根上には定石通りに堀切が設けられていて、堀切はそのまま竪堀となって斜面を下っている。主郭東側には大堀切を挟んで三郭が続くが、この三郭は小さく3つのスペースに小さな堀切で分断されている。但し、三郭は整備されておらず薮化しているため、その形状をつかむ事が難しく、突破するのも容易ではない。夏場ではまず無理だろう。その先には更に二重堀切と小さな郭が作られている。堀切はいずれも決して大きいものではなく、主郭や二郭もそれほどの広さはない。全体にこじんまりした山城であるが、登城しやすいうえ独特の縄張りも持っており、手ごろな城である。
 なお、現地解説板によれば、二郭の先の大堀切を越えて尾根伝いに1.5km登った山頂には重城があり、更にそのはるか奥、標高1700mの山頂に天ヶ城があるという。え~っ、1700m?比高1000m近いじゃん。長野恐るべし。誰か攻めたツワモノがいれば教えて欲しい。半端な装備で行ったら絶対遭難するなぁ・・・。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.117114/137.881586/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
タグ:中世山城
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ノリパ

グルリと上に行くのは容易でなさそうな固いお城ですね。
それよりも、1700メートルのお城というのは・・・ 
九州の最高峰くらいですよ。そんなの登れません。
ホントに遭難しますね。でも、1回くらい見てみたい気がします。
by ノリパ (2009-01-24 17:40) 

アテンザ23Z

よくそんなところに城を築こうと思ったものだと、感心というより半分あきれてしまいます。厳冬期には、雪で登城もままならず、城に籠ることもできないでしょうに・・・。
でもホント、一度見てみたい気はしますね。
by アテンザ23Z (2009-01-24 23:35) 

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