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アラバマ物語 [映画]

NHK-BSで放映されたので、「アラバマ物語」を初めて見た。

グレゴリー・ペックの演じる弁護士は、
非常にジェントルで、物静かでありながら、強い信念を内に秘めた社会人であり、
子供たちを温かく見守り包み込む慈愛に満ちた理想の父親像であろう。

決して子供を口を荒げて怒ることもない。
黒人蔑視で凝り固まった白人たちを非難するのも、
暴力や激しい言葉ではなく、強い信念に裏打ちされた理性的な言葉である。

そんな父の姿を見て、子供たちも自然と敬愛の念を抱いていく。
昔は日本にもこういう父親がたくさんいたのだろう。
今の日本の父親は、慈愛ではなくほとんど盲愛に近い。

一番重要なのは、自分のすることが正しいと自信を持ち、(しかもそれをひけらかさない)
周囲の人の目や評価を気にすることなく、正しいと思うことをやり遂げる生き方である。

この映画を見て、最近失いかけていたものを自分の中に取り戻したような気がした。


それから、ここでのグレゴリー・ペックの演技は、
彼のキャリアの中でも最も素晴らしいものの一つだろう。
オスカーを取ったのも納得である。
人間の良心を体現するアメリカの俳優としては、ヘンリー・フォンダと並ぶ双璧だと思う。

また若きロバート・デュバルは、端役ではあるが既に名脇役となる才能の片鱗を見せている。


最後に、この映画のラストの言葉には、思わず胸が熱くなった。
「翌朝ジェム(暴漢に襲われて怪我をした息子の名)が目覚めた時、
 夜通し付き添った父の姿があった。」
邦訳も素晴らしい。
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