田代城Ⅲ（静岡県函南町）

←主郭～ニノ郭間の堀切
　田代城Ⅲは、修善寺にある田代砦と共に、平安末期に源頼朝の旗上げに参加した田代信綱が築いたと伝承される城跡の一つである。「静岡県の中世城館跡」では、田代集落にある丘城を田代城Ⅱとし、集落から東に離れた山砦を田代城Ⅰ・Ⅲとしている。
　田代城Ⅲは、田代城Ⅱの北東約800mに位置する標高500mの山上にある。山地西部のなだらかな小丘の上に築かれており、遺構は比較的明瞭で、主郭とニノ郭から構成されている。主郭は台形に近い形状の曲輪で、周囲に低い土塁を巡らしている。曲輪中央には円丘があり、櫓台と言うよりは塚か何かの祭祀に関連するものの様に思われる。主郭の東西にはかなり浅い堀切を穿ち、東には坂虎口、西には枡形虎口を構えている。ニノ郭は、主郭から堀切を挟んで連なった東西に長い曲輪で、その更に西側の先に段曲輪を備えている。二ノ郭の南側にも虎口があり、西側下方から主郭の枡形虎口に繋がっている登城道に接続している。この登城道は、二ノ郭の南側側方を通って主郭虎口へ繋がっており、おそらく田代集落から登ってくる山道に繋がっているのだろう。遺構から考えれば、枡形を備えていることから戦国時代に築かれたとする方が妥当だと思われるので、おそらく古道を監視する砦として小田原北条氏が築いた砦の一つであろう。

　お城評価（満点=五つ星）：☆☆
　場所：http://maps.gsi.go.jp/#16/35.134449/139.022659/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0

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