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福岡楯(宮城県仙台市) [古城めぐり(宮城)]

DSCN0099.JPG←南東尾根先端部の堀切
(2020年11月訪城)
 福岡楯(福岡館)は、葛西清重11代の裔孫左京太夫の弟大崎隼人清宗の居館であったと伝えられる。清宗は後に鴇田に改姓し、その子若狭守は天正年間(1573~92年)に再び福岡楯を居城としたと言う。しかしその典拠は不明とされる。

 福岡楯は、仙台市水道局福岡浄水場の裏山に築かれている。標高167.1m、比高80m程である。城へは、浄水場の敷地外を南に迂回し、動物よけの柵を越えて浄水場の裏から尾根に取り付けば、尾根上に山道があり、すぐに城域に入れる。城は三角点のある山頂に主郭を置き、主郭周囲には腰曲輪が築かれ、その周りは北西尾根以外を大きな切岸で断絶している。城の中心部から北・北西・東・南東に伸びる各尾根に曲輪群を配置している。それらの内、堀切は南東尾根の先端部に1本と北西尾根に2本穿たれている。北尾根は、『日本城郭大系』の縄張図では堀切が3本ある様に描かれているが、改変されているのか明確な堀切はなく、段差と木戸口の様な両側土塁の遺構と尾根の付け根の左側に竪堀らしいものしか確認できなかった。また南の尾根の先にも曲輪と堀切があったらしいが、現地を歩いた時は遺構があるようには見えず、踏査しなかったため見逃してしまった。いずれにしても、全体に防御が甘い城の様に感じられた。
北西尾根の堀切→DSCN0164.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.352797/140.775472/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。


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タグ:中世山城
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