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石平城〔仮称〕(岐阜県恵那市) [古城めぐり(岐阜)]

DSCN0549.JPG←二ノ郭から見た主郭群
 石平城は、私が発見した城である。岐阜県のCS立体図を見ていて城跡ではないかと思い、現地を踏査したところ、平場群の配置や切岸が城と考えるのが自然であり、その一方で背後の西尾根には全く平場の造作が見られないことから、おそらく城郭遺構と考えてよいと思う。

 東西2つの郭群から構成され、高所にある東の曲輪が主郭、西が二ノ郭と考えられる。二ノ郭は「く」の字形をした長い曲輪で、背後の尾根とは高さ1.5m程の切岸で明確に区画されているが、堀切は見られない。二ノ郭の東には腰曲輪群・段曲輪で囲まれた主郭がある。頂部の主郭は地山に近い自然地形で、面積も狭小で、物見程度の役割であったと考えられる。しかし周りに巡らされた腰曲輪群は明瞭で、頂部の小さな主郭の周りに1~2段の腰曲輪を廻らし、更に南東に4段(先端近くには祠と墓地がある)、南に3段ほどの段曲輪を配している。これらはいずれもしっかりした切岸で区画されている。また主郭群の北斜面にも、谷に向かって腰曲輪が2段築かれている。以上が石平城の遺構であるが、全体的に薮が多く、段曲輪群など全て踏査できてはいないと思う。

 石平城は、上手向城と和田城の間に位置しているが、城の造りは上手向城の西郭群と似ているので、上手向城主の勝氏が築いた出城であった可能性も考えられる。

 尚、この城については既に恵那市の生涯学習課に連絡済みで、2023年度の城館跡調査の日程に組み込んで現地確認していただけるとのことである。
主郭西側の腰曲輪群→DSCN0550.JPG
DSCN0609.JPG←主郭北側の腰曲輪群

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.354712/137.390792/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世平山城
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