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岩原城(栃木県宇都宮市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN1396.JPG←空堀と土塁・土橋
 岩原城は、宇都宮氏の家臣高橋氏の居城と推測されている。宇都宮氏麾下の高橋氏には3家あり、岩原城主高橋氏はその内の一つである。多気山城の支城の一つであったとされる。1597年に宇都宮氏が改易となると、高橋左京亮は帰農し、以後は代々岩原村の庄屋(名主)を勤めたと言う。

 岩原城は、国道293号線脇の段丘先端部にある。ネット上ではほとんど情報がなく、そのため遺構にもあまり期待せずに訪城したのだが、堀の内の屋号を持つ高橋家の北側に高さ3mの土塁と深さ2mの空堀が、断片的ではあるもののしっかりと残っている。空堀はL字型をしており、南の高橋家敷地に向かって土橋が架かっている。また高橋家の北東には南北に土塁も残っている。主郭は空堀・土塁の南にある高橋家の宅地と思われるが、たまたま作業中のご主人にお話を伺ったところ、宅地は城跡ではないと否定されていた。周辺は耕地化による改変が進んでいるため、城の縄張りを想像することも難しい状況であるが、昭和20年代前半の航空写真を見ると、城域の北辺を東西に一直線に連なる土塁が築かれていたように見受けられる。ただ曲輪配置については、この航空写真を見てもよく分からず、不明点が多い。『日本城郭大系』等によると、二重の堀で囲まれていたとされ、現在残る空堀は内堀であるらしい。

 それにしても断片的とはいえ、赤埴城に似た雰囲気の立派な遺構で、なぜこの城がネット上では無名なのか、不思議でならない。また市の文化財に指定すべきとも思うが、宇都宮市の文化財行政にはどうも文化財保護への積極性が感じられない。宇都宮市民として大いに不満である。
北側に伸びる空堀→DSCN1393.JPG
DSCN1402.JPG←屋敷北東の土塁

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.613246/139.819973/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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