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松崎東楯(岩手県遠野市) [古城めぐり(岩手)]

DSCN6292.JPG←二重横堀の一つ
 松崎東楯は、松崎楯(松崎館)の出城と考えられる。岩手県の文化財地図には松崎東楯の呼称はなく、「松崎館」として一括りにされているみたいだが、独立性の高い出城であるため、ここでは松崎東楯という仮称で取り扱う。

 松崎東楯は、松崎楯から谷を挟んだすぐ東の峰に築かれている。松崎楯との間の谷戸にある木戸口と推測される段の脇から、かすかな登道があり、これを登っていくとやがて帯曲輪群に至る。本城の松崎楯と比べると素朴な縄張りで、山頂に3段の曲輪が連なり、その周囲に多数の帯曲輪群を取り巻いた構造となっている。最上部の主郭の後部には土塁が築かれ、その背後に二重堀切が穿たれている。内堀は深く鋭さがあるが、外堀は浅いものである。この二重堀切から、北東斜面に向かって二重横堀が伸びている。また横堀の付け根からは竪堀が1本落ちている。二重横堀は、南東に下り勾配となりながら延々と伸びている。以上が松崎東楯の遺構で、いかにも松崎楯の東方を防衛する出城と言う印象の城である。
主郭→DSCN6256.JPG
DSCN6306.JPG←二重堀切

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/39.367939/141.553012/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。


地図でめぐる日本の城

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タグ:中世山城
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