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桑窪城(栃木県高根沢町) [古城めぐり(栃木)]

DSC03747.JPG←主郭周囲の空堀
 桑窪城は稲毛田城の支城と言われ、建久年間(1190~9年)の築城と伝わる古い城である。桑窪修理亮秀春が築城したとも、谷口筑前守が築城したとも伝えられ、1361年に稲毛田城と共に宇都宮氏綱によって攻め滅ぼされ、廃城になったとも言う。それ以外のはっきりとした歴史は定かではない様だが、現在残る遺構は明らかに戦国期のもので、宇都宮氏が那須氏に対する最前線の城として改修利用した可能性がある。

 桑窪城は、喜連川丘陵と呼ばれる丘陵地帯の西南端付近に築かれている。基本的に単郭に近い城であるが、主郭南側にも周囲と段差のある平坦地が広がっているので、近代城郭の二の丸に相当するような曲輪であったようだ。南東端には櫓台と考えられる高台も残っている。この城で最大の見所は主郭で、内部は畑になっているものの周囲を囲む土塁と空堀がほぼ原形をとどめたまま完存している。大手虎口には堀の前面を防御する土塁を構え、土橋を渡ると両側には主郭の土塁が高くそびえて控えている。特に素晴らしいのは、虎口右手の横矢の張出しである。近代城郭で言う「左袖」であり、中世城郭でこれほど形の整った見事な横矢張出しの土塁が残っている例は、極めて少ないだろう。この張出しの上に登って虎口の土橋を見ると、ほぼ真横から敵兵を迎撃できることが良くわかる。主郭周囲の空堀は、北側に回るとやや浅くなっているが、その中に土橋と思われる遺構も見られ、更にその北側に小さな曲輪がある。そしてその北端を規模は小さいが横堀で掘り切って、城域の北限としているようだ。
 全体に規模はこじんまりしているが、遺構の残りが極めてよく、一見の価値の十分ある城である。
虎口を左方から見たところ→DSC03769.JPG
   中央に土橋がかかりその前後を土塁が防御している
   土橋の奥には横矢の張出しが見える

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.610886/140.058625/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:中世平山城
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