寺山砦（埼玉県秩父市）

←二重堀切と主郭
　寺山砦は吉田竜ヶ谷城の南西約1kmの地点に築かれた砦である。歴史的な伝承などはまったく無いため、築城時期。築城者などは不明である。しかし、主郭背後の二重堀切などの遺構から見て、戦国時代の築城であることはほぼ間違いないだろう。とすれば、近くの吉田竜ヶ谷城との関連が考えられるので、竜ヶ谷城の出城もしくは物見砦と推定される。西方から侵攻してくる武田勢の動きを監視するために築かれたのだろう。
　西麓の谷筋から登ると、寺院跡とも言われる広い平場を経由して、尾根の鞍部から砦に到達することができる。前述した通り、主郭背後に二重堀切を岩盤に穿ち防御を固めた砦で、主郭は猫の額ほどの小さなものであるが周囲を絶壁に囲まれた要害で、物見としては絶好の位置にあったのだろう。遺構はよく残っているが、何しろ規模が小さいので、吉田竜ヶ谷城のついでに寄る程度のものであろう。

　お城評価（満点=五つ星）：☆☆
　場所：https://maps.gsi.go.jp/#16/36.052239/139.041367/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

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