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大蔵館(東京都世田谷区) [古城めぐり(東京)]

DSC03858.JPG←殿山の第六天神社
 大蔵館は、木曽義仲の父で同じ源氏一門の悪源太義平に討たれた源義賢の館跡と伝わっている。時代は下って大永年間(1521~28年)には、京より石井良寛という者がこの地に移り住んだ。現在この地に置かれている第六天神社は、この良寛を祀った社と言う。石井氏は世田谷城の世田谷吉良氏に仕え、1590年に小田原北条氏が滅んで徳川家康が関東に入部すると、土着してこの地の名主となったと言う。

 大蔵館の地は殿山と呼ばれ、周囲より15~20m程の高台となっていて眺望に優れている。大蔵館と伝わる場所は埼玉県にもあり、そちらの方が土塁などの明確な遺構の他、木曽義仲にまつわる史跡も周辺に多く残っているので、信憑性が高い。一方、東京の大蔵館はその地勢以外に遺構は全くなく、しかも現在は殿山のすぐ北西側を東名高速が貫通していて、景観は変貌している。ただ、この近くの清水氏の邸内に大将塚と呼ばれる義賢の墓が残るそうで、しかもこの清水氏は義仲の子、清水冠者義高の後裔と伝わっているそうなので、義賢にまつわる伝承も一概に無視できるものではないかもしれない。いずれにしても東京都の遺跡地図にも記載があるので、日本城郭大系に記す通り、大蔵館は眺望の利く絶好の砦として、多摩川東岸に築かれた吉良氏の城砦群の一環を構成していたものであろう。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.626710/139.609194/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0
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