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太田道真館(埼玉県越生町) [古城めぐり(埼玉)]

DSC05129.JPG←館跡に建つ建康寺
 太田道真館は、中世関東の名将太田道灌の父道真の隠居所である。道真とは、扇谷上杉氏の家宰太田備中守資清のことで、道灌と並んで父子共々関東に威名を轟かせた名将であった。この地に入部した若き道真は、龍ヶ谷山中に三枝庵(自得軒砦)と称する砦を築いた。後にはここを拠点として、鉢形城主長尾景春に対抗した。子の道灌が長尾景春の乱討伐で関東各地を転戦し、景春を没落させて乱を平定すると、道真は三枝庵を出て、この地に隠居所を築いて隠棲し、自得軒と号したと言う。1486年の夏、道灌は相國寺の詩僧万里を連れて自得軒の道真を訪ね、父子のひとときを過ごした。その年の秋、道灌は相模の糟屋館で主君扇谷上杉定正に謀殺され、これが道灌父子最後の対面となった。道灌の死を悼んだ道真が、道灌の菩提を弔う為に自得軒に建立したのが建康寺であると伝えられている。

 太田道真館は、前述の通り現在は建康寺となっている。三枝庵も自得軒砦と呼ばれ、この館も自得軒と称されるので少々紛らわしい。館跡は、背後に山を控えた越辺川沿いの山間の地にあり、周囲には現在でものどかな田園風景が広がっている。建康寺よりやや北に離れた梅林の奥に、「太田道真退隠之地」と刻まれた立派な石碑が建っている。周囲には、道灌橋、陣屋、馬場等の地名が残っているそうで、遺構は残っていないが地名に館の名残を残している。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.968907/139.267148/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:居館
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