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黒森山砦(宮城県丸森町) [古城めぐり(宮城)]

IMG_2618.JPG←ニノ郭頂部の櫓台状の高まり
 黒森山砦は、金山城の尾根続きに築かれた城砦である。金山城の歴史を記載した現地解説板の中に、1588年に伊達氏が「相馬氏に備えて本城や南の山居・黒森山の各所に、新たな石塁・土塁・堀切などの防護施設を造り、一段と強固な構えに改築を行った」とあることから、この戦国末期に金山城の防衛力強化のために築かれたと推測される。

 黒森山砦は、前述の通り金山城背後に繋がる尾根上の、2つのピークにまたがって築かれている。『日本城郭大系』にも記載のない城砦だが、金山城二ノ丸には「黒森山砦」と記載された誘導標識が出ている。城域は、主城である金山城の倍近くもあり、金山城背後に控える大城塞である。基本的には、2つの尾根の曲輪群で構成された一城別郭の構成となっている。それぞれ山頂の曲輪を中心に、その外周に腰曲輪を数段連ねただけの構造で、明確な堀切はなく曲輪群のみで構成されている。特にどちらのピークが主とも言い難いが、南のピークの方が頂部の平場が広く、こちらが主郭群とも考えられる。全体に曲輪の削平は明確で、はっきりと城郭遺構と認識されるレベルの構築である。金山城解説板にある「石塁」はどこのことかはっきりしないが、北のニノ郭群の頂部の曲輪に櫓台状の高まりがあり、その周辺に石が散乱しているので、そのことを指しているのかもしれない。またニノ郭群の西の腰曲輪には物見台も築かれている。曲輪群だけで特色の少ない城砦だが、金山城の防衛のために全山城塞化していたことは見て取れる。
主郭の腰曲輪→IMG_2648.JPG
IMG_2699.JPG←ニノ郭腰曲輪の物見台
 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/?ll=37.893466,140.806253&z=16&base=std&vs=c1j0l0u0
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