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白鳥館(岩手県奥州市) [古城めぐり(岩手)]

DSCN6250.JPG←主郭~二ノ郭間の堀切
 白鳥館は、古代から中世まで城館や集落として継続して使われた城である。前九年合戦では安倍貞任の弟八郎則任(行任)が居城していたと伝えられる。戦国期には葛西氏の家臣で山名氏の後裔を称する白鳥氏が居城したが、1590年の奥州仕置で葛西氏が改易となると、共に没落したと言う。

 白鳥館は、北上川曲流部に突き出た島状の台地に築かれている。「白鳥舘遺跡」として国の史跡に指定されているが、見て回れるのは主郭・二ノ郭だけで、あとは宅地となっているので外郭については外周部しか見ることができない。台地中心に、南北に主郭・二ノ郭を連ね、その周りに腰曲輪群を築き、更に南に2つの外郭を連ねている。南北に連なる曲輪はいずれも堀切で分断されているが、改変を受けていないのは主郭~二ノ郭間の堀切だけで、他は車道などに変貌している。主郭は、往時は北上川に臨んでいたが、現在は北側が崩落して消滅してしまっており、南側が残っているだけである。二ノ郭には神社が置かれ、西と北に低土塁が築かれ、東側には虎口がある。発掘調査では多数の建物跡が検出されており、城の中心的曲輪であったらしい。虎口の外には出入口の段として使われた大石がそのまま残されている。二ノ郭の東西には横堀が穿たれているが、特に西のものは腰曲輪を貫通する竪堀状虎口となって西側下方の平地に繋がっている。主郭・二ノ郭の西側にはいくつもの腰曲輪群があるが、ここには10世紀頃に集落があり、今でも発掘調査が続けられている様だ。白鳥館は、概ね遺構はよく残っているが、それほど要害性の高い城とは感じられなかった。
竪堀状虎口と横堀→DSCN6314.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/39.026210/141.135907/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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