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朝比奈城(静岡県御前崎市) [古城めぐり(静岡)]

DSCN0847.JPG←3郭~4郭間の堀切
 朝比奈城は、高天神衆に属した曽根孫太夫長一の城である。城山の北麓に居館があったとされ、その詰城であった。長一は、高天神城主小笠原長忠(信興)の寄子で、武田勝頼が高天神城を攻略した第一次高天神城合戦の際には、本丸の守備に付いた。高天神城が開城すると、長一は徳川方に逃れ、徳川氏家臣の大須賀康高に仕えたと伝えられる。

 朝比奈城は、朝比奈川南岸の標高90m、比高70mの山稜上に築かれている。牧之原台地の支脈の一つから北西に突き出た尾根に位置している。登り口がよくわからなかったので、私は北に派生した支尾根の先端からアプローチした。尾根を辿っていくと、やがて主尾根に築かれた二ノ郭に至る。二ノ郭は、以前は畑になっていたらしく一部改変されているのではっきりしないが、北に虎口があり、後部に土塁らしき土盛りが見られる。二ノ郭の北には腰曲輪、北西には堀切と小郭、南西の尾根には段曲輪群が築かれている。二ノ郭から西に登っていくと、最上部に築かれた主郭に至る。主郭は円形の小さな曲輪である。主郭背後に当たる南東の尾根には、腰曲輪を介して堀切が穿たれている。この堀切の先には3郭・4郭が置かれ、それぞれ堀切で分断されている。この尾根には、主郭背後・3郭~4郭間、4郭先端と3本の堀切が穿たれているが、いずれも中規模の堀切でしっかり普請されている。4郭の後部には土壇があり、堀切に繋がる城道はこの土壇の脇をすり抜けるように敷設されている。また3郭・4郭の南斜面にのみ、腰曲輪が置かれている。各堀切はこの腰曲輪に向かって落ちている。4郭の背後の尾根の先にはわずかな堀切と土橋が見られ、搦手筋を防御している。以上が朝比奈城の遺構で、基本的には細尾根城郭だが、主郭・二ノ郭は幅のある平場であり、小屋掛けぐらいは置かれていた可能性がある。
主郭背後の堀切→DSCN0838.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/34.660508/138.147701/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世山城
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