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新開氏館(埼玉県深谷市) [古城めぐり(埼玉)]

DSCN1030.JPG←館跡付近の現況
 新開氏館は、新開荒次郎実重の居館である。新開氏は、渡来系の豪族秦河勝の後裔と言われ、平安時代末に新開次郎忠氏がこの地に館を構えた。実重は、相模西部の豪族で鎌倉幕府創業の功臣土肥実平の次男で、忠氏の養子となって新開氏を継いだ。石橋山合戦で大敗した源頼朝が海路で安房に逃れた際、同道した主従7騎の中に忠氏の名があり、一方の実重は北条政子に頼朝の無事を伝える使者を務めたとされる。頼朝が鎌倉に幕府を開くと、実重はその御家人となって活躍した。子孫は鎌倉末期に越中・阿波に移ったが、このうち阿波新開氏は牛岐城を本拠として阿波細川氏・三好氏に仕え、戦国末期に長宗我部元親に滅ぼされるまでその命脈を保った。

 新開氏館は、小山川西方の東雲寺と大林寺の間辺りにあったらしい。遺構は完全に湮滅しており、正確な位置も判明していない。昭和20年代前半の航空写真を見ると、東雲寺の西隣にほぼ方形をした畑の区画が確認できるが、これが館跡であろうか?
 尚、東雲寺には新開実重の墓が、また大林寺にはその夫人の墓がある。それぞれ男寺・女寺と呼ばれ、それぞれの寺に男女を別々に葬るという珍しい風習が明治時代まで伝わっていたという。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.229865/139.302671/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:居館
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