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瀬尾愛宕山城〔仮称〕(栃木県日光市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN1038.JPG←腰曲輪から見た主郭
 瀬尾愛宕山城は、栃木県のCS立体図から発見した城である。愛宕神社が祀られた愛宕山に築かれているが、市内には他にも愛宕山城があるので、ここでは地区名を冠して瀬尾愛宕山城と命名した。主郭には愛宕神社が祀られており、その参道が南麓から伸びているので、これを登れば城域に至る。
 瀬尾愛宕山城は、比較的小規模な山城で、山頂に主郭を置き、南側に腰曲輪を廻らしている。更に南下に舌状腰曲輪を築いている。西尾根には堀切が穿たれ、その先に薮に覆われた二ノ郭がある。二ノ郭の西にも堀切が穿たれ、この堀切に繋がる形で二ノ郭北側に帯曲輪が築かれている。更に少し西の先にももう1本堀切が穿たれている。北尾根は自然地形で、明確な普請の形跡は見られない。一方、南東の尾根の先には高台となった物見台が置かれている。前述の参道は、この尾根に登ってくるが、尾根の中間部分に堀切が穿たれ、更に物見台の付け根にも土橋が架かった堀切が穿たれている。以上が瀬尾愛宕山城の構造である。

 城が築かれているのは、この山塊の最高所の峰ではなく、そこより東に張り出した峰にある。このことから、東方に対する備えに重点を置いた城であったことが推測される。また平地を挟んで東方には倉ヶ崎城があるが、倉ヶ崎城は宇都宮氏の城で、天正年間(1573~92年)に対立していた日光山勢に攻め落とされたとの伝承があるので、この時の向城(付城)であった可能性も考えられる。
二ノ郭付け根の堀切→DSCN1023.JPG
DSCN0987.JPG←南の物見台と堀切・土橋
略図(クリックで拡大)→瀬尾愛宕山城 縄張り略図.jpg
(出典:栃木県森林整備課提供CS立体図)

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.741919/139.674854/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世山城
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