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浦賀奉行所(神奈川県横須賀市) [その他の史跡巡り]

DSCN2006.JPG←周囲に残る石垣と水路
 浦賀奉行所は、江戸中期の1720年10月に伊豆の下田奉行所を移転し、新たに開設された奉行所である。全国各地から江戸に様々な物資が船で運搬されていたため、江戸に近く、検査をほぼ完ぺきにできる場所として浦賀が選ばれたとされている。浦賀奉行所では、船の積み荷と乗組員の検査をする「船改め」を行う「船番所」が開設され、江戸を往来する全ての船は浦賀で検査を受けることが義務付けられた。船改めは廻船問屋105軒に委託され、生活必需品11品目について3ヶ月毎に集計された数字が江戸町奉行へ報告された。また現在で言う税務署・裁判所・警察署・海上保安庁などの仕事も行っていた。浦賀奉行所開設から100年を過ぎた頃から江戸近海に異国船が来航するようになると、江戸を異国船から守る最前線の基地の役目も持つようになった。1853年6月にアメリカ合衆国のペリー艦隊が浦賀に来航すると、中島三郎助や香山栄左衛門らの浦賀奉行所の役人達が交渉などに大いに活躍した。1859年6月に神奈川奉行所が開設されると、異国船関係の仕事は神奈川奉行所に移されたが、浦賀奉行所は1868年閏4月に新政府に接収されるまで続き、更に船改めの業務だけは、1872年(明治5)3月まで続けられた。

 浦賀奉行所は、浦賀港西方の山に挟まれた平地の奥に築かれている。以前は会社の社宅が建っていたが、現在は跡地が横須賀市に寄贈され、更地となっている。しかし周囲には低い石垣が残り、水路が廻らされている。また2021年設置の真新しい解説板も立っている。2020年に奉行所開設300周年を迎えたが、ちょうど新型コロナのパンデミックと重なってしまい、話題になることはほとんどなかったようだ。

 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.236497/139.719186/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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