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飯綱城(長野県上田市) [古城めぐり(長野)]

DSC06121.JPG←ド迫力の物見台絶壁と大堀切
 飯綱城は、北信濃の戦国大名村上氏が築いた太郎山城塞群の一つで、虚空蔵山城のある虚空蔵山の南に伸びる支尾根の一つで、持越城のある尾根の一つ東側の飯綱山に築かれている。
 本郭の標高は757mで、麓からの比高は320m程にもなるが、途中まで車道(未舗装路)が整備されている。しかし車道の奥の「飯綱山」の標識のあるところからの登山道はすぐに消えてしまうので、あとは比高100m程を斜面直登するしかないので、ちょっと辛い。右側の尾根の上に到達すれば、あとは尾根筋に沿って南に向かえば、間もなく2本の堀切が見えてきて城域に到達する。
 飯綱城は、太郎山城塞群の中ではもっとも大規模な普請がされた城で、南北に曲輪が長く連なり、全長300mほどにもなるであろうか。最高所に数段に分かれた本郭・ニノ郭・三ノ郭を置き、これらの曲輪には建物の礎石や井戸跡が残る。これらの曲輪の規模は、太郎山城塞群の中ではもっとも広大で、かなりの兵数を置くことができたと考えられる。その先を南に下っていくと、高さ10mもある巨大な岩の垂直絶壁が立ちふさがる大堀切に至る。この絶壁はド迫力で、体に震えがくるほどの緊張感がある。大堀切は中央に土塁状の突出部があり、二重堀切の形状となっている。岩の壁の上は平坦な小平場になっていて、城の中枢部を防衛する物見台だったと思われる。ここは南の大手筋を睥睨できる絶好の陣場であり、眼下には上田城を望むこともできる。物見台周囲には小規模ながら石積みがあり、曲輪周囲の急斜面の崩落を防いでいる。日本城郭大系にも記されているが、この城の大きな特徴は、大堀切を境に南斜面に十数段にも及ぶ数の段曲輪が築かれ、それらの要所を4~5本の堀切で分断して南の大手筋の守りをほぼ完璧に固めていることである。段曲輪の一部はそこそこの広さを持ち、四ノ郭とも言うべきものもある。
 これらの普請の規模から考えて、飯綱城は太郎山城塞群の中で中核的役割を持った重要な城だという事がよくわかる。太郎山系東端の砥石城と並ぶ重要な戦略拠点だったのだろう。
大堀切は二重堀切の形状→DSC06125.JPG
DSC06144.JPG←物見台周囲の石積み
物見台南に展開する段曲輪群→DSC06151.JPG
        要所に堀切を伴う

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.424166/138.228333/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
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ノリパ

かつての物見台には、木なんてなかったんでしょう
から、ココの周りこそ切ってほしいですね。
すごい見晴らしなんでしょうね。
by ノリパ (2009-06-20 22:05) 

アテンザ23Z

>ノリパさん
そうですね。この物見台からは、木の間から上田城がよく見えました。
木に妨げられない素晴らしい眺望は、三水城や和合城が最高でした。
by アテンザ23Z (2009-06-22 02:16) 

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