戸塚城（埼玉県川口市）

　戸塚城は、台地の先端に築かれた崖端城で、忍城主成田氏の家臣、小宮山弾正介忠孝の居城である。それ以外の詳細はよくわからない。
　城は、かつては川口市によって大規模な発掘調査が行われ、見事な空堀跡が発掘されたそうだが、残念ながら発掘後、全面的に住宅地として造成してしまい遺構は完全に失われている。それもそのはず、近年新たに開通した埼玉高速鉄道の駅前一等地で、これをそのまま史跡として保存することは、経済優先の国内政治の原則が許さなかったのだろう。数年前まではまだ発掘が継続されていて、度々現地説明会も行われていたようなので、この城の存在に気付くのが遅かったことが今となっては悔やまれる。
←戸塚城の悲しい現状

　お城評価（満点=五つ星）：☆
　場所：https://maps.gsi.go.jp/#16/35.860744/139.753067/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

タグ：中世崖端城

コメント 4

見る影もなく、其処にかつて城が存在したなんて誰も思わないでしょうね。
歴史上で注目を浴びた城ですら、現存は数少ないですから支城では無理も無いですね。
by fuzzy (2009-11-20 13:52) 

>fuzzyさん
ついこの間までそこに存在していた城（文化財）が、現在にあっても尚失われていっているという現状は、やはり日本の文化レベルに疑念を抱かざるを得ません。悲しいことです。
by アテンザ23Z (2009-11-20 18:08) 

日本人は、新しい物が良いものと錯覚しています、便利性の追求は必要ですが、守るもの残すものを度外視し歴史の遺物と平然と破棄してしまうのは悲しいですね、物を大切にしない、年寄りを敬はない、排他的になるなど人間的情緒の欠落はこんなところから始まっているのでしょう。
by fuzzy (2009-11-20 21:51) 

>fuzzyさん
最近、過去にたずねた平城を、国土変遷アーカイブの昭和20年代の航空写真で調べているのですが、あまりの変貌ぶり（破壊ぶり）に愕然となり、もの悲しい思いにとらわれています。今からでも、経済最優先の政治の考え方は何とかならないものかと思います。
by アテンザ23Z (2009-11-24 03:42)