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戸吹城(東京都あきる野市) [古城めぐり(東京)]

DSC05762.JPG←二ノ郭へ至る断崖上の細道
 戸吹城は、根古屋城、二城城とも呼ばれ、秋川南岸の急峻な断崖上に築かれた山城である。良好な遺構にも関わらず記録が全く無いため、その歴史も築城者も定かでは無いが、その位置からして小田原北条氏の支城であったことはおそらく間違いない。それは、檜原城戸倉城網代城と続く狼煙台ネットワークのラインが滝山城へと至る線上に戸吹城が位置しているからである。地図にプロットしてみるとよくわかるが、この狼煙台ネットワークは、緩やかな弧を描いて滝山城に通じているのである。北条氏の支城網の巧妙さには舌を巻かざるを得ない。

 戸吹城の築かれた地勢は滝山城と同じで、秋川~多摩川の南岸に続く山地上に占地し、南の根古屋地区からは緩やかな斜面で比高30m程に過ぎないが、北側は川べりに望む比高50m以上の絶壁となっている。山上には東西にハイキングコースが通っているが、その付近に櫓台跡の土塁とその西側に横堀が走っている。櫓台南側の斜面には2段ほどの帯曲輪が築かれ、東側は浅い竪堀で遮断している。一方、櫓台から北側には、左右が崩落して垂直絶壁となった幅1mに満たない細道を経由して、楕円形をした二ノ郭と更にその先に堀切を跨いで主郭がある。主郭周囲はかなり崩落している様で、現在では垂直絶壁で囲まれた狭い主郭に過ぎないが、400年前はもっと大きな面積だったのだろう。主郭からは東京サマーランドと圏央道のあきる野ICがよく見える。

 戸吹城は遺構はよく残っているが、崩落しつつある断崖上の城であり、おそらく50年もしたら崩れてなくなるのではないだろうか。撮影に気を取られていると、普通の人でもバランス崩して転落しかねない城なので、特に高齢者には主郭への訪城はお勧めできない。東京一危険な城と言われる所以である。
主郭手前の堀切→DSC05776.JPG
DSC05779.JPG←絶壁に囲まれた主郭

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆(但し、非常に危険!)
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.715087/139.278525/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
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ノリパ

高齢になる前に行かないと逝けない、もといイケないですね・・・
by ノリパ (2010-03-13 20:43) 

アテンザ23Z

>ノリパさん
私が行ったときは、
断崖に立っても不思議と怖くなかったんですよねー。
木がたくさん生えていて掴れる物があったせいか、
それとも滝山城で感動しまくりで中枢神経が壊れてしまったか・・・。
by アテンザ23Z (2010-03-13 21:33) 

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