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網代城(東京都あきる野市) [古城めぐり(東京)]

DSC07312.JPG←堀切跡
 網代城は、秋川右岸の標高330m、比高150m程の山上に築かれた山城である。15世紀中頃に農山村の指導的立場にあった地侍達の自衛集団である南一揆によって利用された城であるらしい。領主の過酷な苦役から逃れる為、村人達の兆散の場としても利用されていたと考えられる。16世紀中頃に入って滝山城に小田原の北条氏康の次男氏照が入ると南一揆は解体され、網代城は滝山城の支城として機能したと見られる。その時の城主は青木内記とも貴志氏とも伝えられている。1590年の北条氏の滅亡に伴って廃城となったと思われる。
 網代城は元々村人の兆散等にも利用されたと言われるだけあって、非常に小さな城である。小さい主郭の周囲に段曲輪や腰曲輪をいくつか築いた簡単な構造で、堀切もあるにはあるがいずれも規模は小さい。これは北条氏が網代城を本格的な城塞として使用したのではなく、元々あった城をそのまま狼煙台に転用しただけなのだろう。網代城は、檜原城から戸倉城を経て至る狼煙台ネットワークの中継地点だったことは、そのラインが更に戸吹城を経て滝山城へと至ることから良くわかる。この狼煙台ネットワークのラインは緩やかな弧を描いて滝山城まで通じており、城を絶妙に配置していることはその位置を地図上にプロットすると良くわかるのである。城としてはやや物足りないが、北条氏の支城網を知る上で貴重な城である。
大手木戸口→DSC07324.JPG
DSC07441.JPG←戸倉城から見た網代城遠景
 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.720507/139.242579/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0
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