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中野長者屋敷(東京都中野区) [古城めぐり(東京)]

DSC03924.JPG←山手通り沿いの成願寺
 中野長者屋敷は、中野長者と呼ばれた鈴木九郎の屋敷とされている。鈴木九郎については伝説的な色彩が強く、その真偽は定かではないが、その先祖は古代の貴族穂積氏を元とし、紀伊熊野神社の別当を務め、後に武家となったと言う。一族には、源義経に従って赤間ヶ関や衣川で戦った重家、重清兄弟がいた。九郎は室町時代に中野に移り、この地で財を成した。その他の歴史ははっきりしないようだ。
 中野長者屋敷は、現在成願寺となっている。この地は南に神田川が流れ、往時は外堀として機能したのだろう。全くの都市部なので遺構は望むべくもなく、成願寺境内に鈴木九郎の墓と、蓮池鍋島家の墓所が残っているだけである。境内には「中野長者ものがたり」と言う鈴木九郎の伝説を漫画入りで書いた看板があり、読むとなかなか面白い。富を守るために人を殺し、その罪業ゆえに娘の小笹が蛇になってしまったことが書かれている。略年譜の箇所に、「応永31年(1424)娘蛇に化身す」と何気なく書かれているのがとても面白い。いずれにしても、この地の豪族か大地主の屋敷跡であったのだろう。現在は首都高中央環状線のインターに「中野長者橋」として名前が残る。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.694075/139.681635/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0
タグ:居館
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