栃木城（栃木県栃木市）

←水堀と土塁跡
　栃木城は、皆川氏の築いた平城である。伝承では皆川紀伊守秀光が1394年に築いたとされるが、実際は1591年に皆川山城守広照が築いたものと考えられる。広照は、小田原北条氏の圧力に屈し、北条氏に属して1590年の小田原の役を迎えたが、自身が小田原城に詰めている間に本拠の皆川城を豊臣秀吉の派遣軍に攻め落とされた。そこで、徳川家康に降って所領を安堵された広照は、役後に新たに栃木城を築いて本拠を移したのである。広照は、家康の第6子松平忠輝を引き取って養育した縁で、忠輝が信州川中島に封じられると、その後見家老として信州に移ったが、その後1609年に忠輝の不行跡を幕府に訴えた為、返って家康の勘気を蒙って除封された。その時城も取り壊された。
　栃木城は、前述の通り短命に終わった近世城郭で、市街化によって遺構はほとんど湮滅し、わずかに蔵屋敷北西部の土塁と堀が残っているに過ぎない。しかしこのわずかな遺構が、栃木城址公園となって整備されて大切に保存されている。唯一の救いであろうか。

　お城評価（満点=五つ星）：☆☆
　場所：http://maps.gsi.go.jp/#16/36.375306/139.743476/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0

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