安戸城（埼玉県東秩父村）

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　安戸城は、松山城主上田氏の支城と考えられている小さな山城である。上田氏ゆかりの大河原郷にあり、上田左衛門大夫が築城したとも言われている。また松山城主上田朝直は、武蔵の要衝で各陣営の争奪の地となった松山城を奪われる度に、安戸城に逃れて体勢を立て直し、松山城を奪還したと伝えられている。
　安戸城は、腰越城から西北西にわずか1.7kmの位置にあり、同じく上田氏の支城であった腰越城との関連が強く考えられる。安戸城の縄張りは、技巧的な腰越城と比べると極めて単純なもので、ほとんど単郭に近い城である。主郭北側や西側には腰曲輪が付随するが、いずれも大した規模ではない。しかし主郭は、縄張図から想像するよりは広めに思える。明確な堀切はほとんどなく、腰曲輪に竪堀を数本配置していただけの様である。いずれにしても簡単な造りで、少数の兵しか置くこともできない城なので、腰越城を前面の防衛ラインとして想定した逃げ込み城として構築された城かもしれない。

　お城評価（満点=五つ星）：☆☆
　場所：https://maps.gsi.go.jp/#16/36.051753/139.214727/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1

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