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庭月館(山形県鮭川村) [古城めぐり(山形)]

DSC02945.JPG←横矢の掛かった空堀
(2010年12月訪城)
 庭月館は、鮭延城主鮭延氏の庶流、庭月氏の居館である。鮭延氏は、近江源氏佐々木氏の一族で、その事績は鮭延城の項に記す。庭月氏は、小野寺氏の客将であった佐々木(鮭延)典膳貞綱の一族で、清水城主清水大蔵の勢力を抑える為に、庭月理右衛門広綱が天正年間(1573~92年)にこの地に封じられたと言う。庭月氏は、鮭延氏の家臣として1200石を領有し、早くから独立の方向を歩んだらしく、天正年間の初めにはこの地方の一領主としての地位を確立していたようである。1581年に山形城の最上義光は、腹心の氏家守棟に鮭延城を攻め落とさせたが、この時に庭月氏も最上氏に降ったと考えられる。広綱はそのまま所領を安堵され、1622年まで在館したとされる。

 庭月館は、鮭川西岸の断崖上に築かれた居館で、単郭の簡単な構造の城館である。しかし周囲の台地と分断している空堀は、最大で深さ10mを超える大規模なもので、よく見ると南側の堀には横矢が掛かっている。また空堀に沿って主郭内には土塁も巡っているが、土塁の規模は小さい。この他、主郭北東隅には、「太守公広綱塔」と呼ばれる墓碑が建っている。庭月館の南北には、八幡館小十郎館・玄蕃館・セゴロ館等の居館が鮭川西岸に連なっているが、庭月館が最も規模が大きく、清水氏に対する要害として重視されたことが伺われる。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.826419/140.224761/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
タグ:居館
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