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土肥城(神奈川県湯河原町) [古城めぐり(神奈川)]

DSC05957.JPG←二重堀切部の櫓門らしい跡
 土肥城は、標高563mの城山山頂に築かれた山城である。明確な歴史は不明であるが、鎌倉幕府創業の功臣土肥実平の詰城であったと言われている。しかし現在残る遺構は明らかに戦国期のものであり、小田原北条氏が相模防衛の為に箱根外輪山系に整備した山城と考えられる。

土肥城は、湯河原市街地からの比高が523m程にもなる高所に築かれた城であるが、西の山中を走る県道75号線からハイキングコースが整備されており、そこからの比高は160m程で比較的楽に登城できる。土肥城は、最上部に主郭を置き、そこから東に伸びる尾根上に掘切を介しながら合計6つの曲輪を連ねた連郭式の縄張りとなっている。各曲輪は削平が明確で、虎口には土塁が設けられて防御を固めている。ただ、虎口構造は基本的には平易な坂虎口であるが、要所で動線を曲げて敵の侵入を阻んでいる。そしてニノ郭虎口には、石積みの跡が明確に残っている。その他の曲輪の虎口付近にも石が散乱しているので、もっと石積みがあったのかもしれない。堀切はどれもかなり埋まっているのか、かなり浅くなっているが、やや薮に埋もれているものの形ははっきりと捉えることができる。五ノ郭と六ノ郭との間は二重堀切になっていて、堀切間は動線両側に土塁が盛り上がっており、櫓門が構えられていた可能性がある。六ノ郭先端にも土塁と堀切があり、実質的にここで城域は終わる様だが、その先も自然地形の緩斜面が広がっており、馬場か何かだった可能性がある。この他、主郭南にも3段の段曲輪と堀切がある。縄張りとしては比較的簡素な城で、全体から受ける印象は湯坂城によく似ている。湯坂城と同様、山中を通る古道を扼する要害だったのかもしれない。
ニノ郭虎口の石積み跡→DSC05929.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.156271/139.084750/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
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