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阿野館(静岡県沼津市) [古城めぐり(静岡)]

DSC01087.JPG←西側の土塁
 阿野館は、伝承によれば、源頼朝の異母弟阿野全成の居館とされている。全成は幼名を今若丸といい、源義朝の7男で、母は弟の義経と同じ常盤御前である。平治の乱で義朝が敗死すると、今若は助命されて醍醐寺に預けられ、出家して全成と改名した。1180年、伊豆蛭ヶ小島に配流されていた兄頼朝が平家打倒に挙兵すると、全成は寺を抜けだして頼朝に合流した。頼朝の信任を得た全成は、駿河国阿野庄を与えられ井手に館を構えたと言う。また、頼朝の妻北条政子の妹阿波局と結婚し、阿波局は頼朝の次男千幡(後の実朝)の乳母となって、隠然たる実力者となった。頼朝が死に、その嫡子頼家が2代将軍となると、全成は頼家一派と対立するようになり、1203年、頼家の命により謀反の咎で幕府に捕らえられ、常陸国に配流となり、下野国で誅殺された。その子時元は命を助けられて阿野庄に隠棲していたが、1219年に反北条の兵を挙げ、2代執権北条義時に討伐されて、敗北自刃した。

 阿野館は、阿野全成の館と言うのは伝承に過ぎず、この地に蟠踞した中世土豪の居館跡と見られている。それが阿野氏かどうかは確証がない様だ。現在の大泉寺が館跡で、東半分は宅地化で遺構は湮滅しているが、南側と西側に立派な土塁が残っている。周囲には堀もあったと思われるが、現在は埋められてしまっている。境内には、阿野全成・時元親子の墓が残っている。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.142555/138.795508/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:居館
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