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本陣山砦(埼玉県飯能市) [古城めぐり(埼玉)]

DSC03023.JPG←主郭背後の堀切と土橋
 本陣山砦は、歴史不詳の砦である。高麗川南岸に北に向かって突き出した山稜上に築かれた、細尾根上の小規模な砦で、比高は70m程である。以前、秩父方面へ行く途中で、麓を通る国道299号線を通った時、カーナビ画面に「本陣」と言う地名があったので気になっていたが、やはり城砦が存在していた。情報は、HP「北武蔵城郭フォーラム」を参考とした。

 老人ホーム吾野園の東側にあるので、そこから川沿いに東に回りこみ、尾根筋先端近くからアプローチした。本陣山砦の麓には、Y字状に分岐した尾根の間の緩やかな傾斜地が広がっており、小屋掛けや倉庫などが置かれた曲輪であった可能性が考えられる。ここから東側の尾根筋に取り付いて登って行くが、尾根上は歩きやすく、途中からは大手道らしいものも現れる。途中、尾根を塞ぐように岩場が立ちはだかる部分があるが、ここには岩を削って、つづら折れの通路を作っているのが確認できる。おそらく往時の登城道の遺構であろう。砦は3本程の明確な堀切と一部には土橋を備え、小規模な曲輪を数個連ねただけの簡素な造りで、まさに砦と言うに相応しい。主郭背後には土塁が築かれ、祠が2つ置かれており、その裏は土橋を架けた堀切で遮断している。堀切はいずれも深さ1m程の小さなものであるが、両側にはいずれも竪堀を伴っている。その更に南に小ピークがあり、その先に3本目の堀切があるが、その堀切から武者走りが東側に走っており、搦手道があった様である。
 全体の雰囲気は鷹谷砦に似ており、小田原北条氏の砦であった可能性も皆無ではないだろう。尚、北武蔵城郭フォーラムでは、本陣という地名から、1530年に河越城の扇谷上杉朝興が北条氏重臣の遠山直景を攻め破った吾那蜆城合戦との関連を指摘している。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.928389/139.194170/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:中世山城
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