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湯日城(静岡県島田市) [古城めぐり(静岡)]

DSC02679.JPG←主郭東端の堀切
 湯日城は、遠江の国人領主勝間田氏の支城と言われるが定かではない。一説には、湯日城の山裾を鎌倉街道が通過する交通の要地である点から、この付近を支配していた土豪の居城とも言われている。かつては三日月堀をもつ武田氏特有の丸馬出しがあったことから、戦国後期には武田氏が諏訪原城小山城の繋ぎの城として改修したと推測されている。

 湯日城は、静岡空港の北隣、牧ノ原台地の東側縁端に位置する、東西方向に延びる丘陵先端部に築かれている。かつて堀切を介して連なっていた主郭・ニノ郭は、昭和30年台の耕地化で破壊され、数年前まで一面の茶畑となっていたようであるが、現在は全て耕作放棄地となり、一面の薮となって荒れ果てている。あまりの薮の酷さに、主郭内への突入を断念した程である。東側の養勝寺から登ると、平坦な平場があり、それを突き抜けて尾根を登って行くと、主郭に到達する。耕地化に伴う破壊が徹底していたらしく、明確な遺構はほとんど残っていないが、わずかに主郭東端の堀切が確認できた。それにしても、わざわざ遺構を破壊して耕地化したのに、今では耕作放棄地となって荒れるがままになっている現実は、戦後の高度成長期の負の側面を思い知らされる。一体何のために遺構を破壊したのか、と。いつの日か、市が地権者から土地を買い取り、遺構の発掘・復元をする日が来るのを期待したい。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/34.803655/138.177913/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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