鳩ノ峰城（栃木県佐野市～足利市）

←神社跡の平場
　鳩ノ峰城は、歴史不詳の城である。佐野市と足利市の境界線上に位置する標高317mの鳩ノ峰と呼ばれる山上に位置している。南に降った尾根から東西に派生する支尾根には、赤見駒場城と樺崎城が築かれているが、両城との関係も不明。しかし鳩ノ峰が赤見駒場城の北に屹立する眺望に優れた峻峰であり、赤見駒場城が佐野領西方の拠点赤見城を眼下に収める要地にあることから考えれば、佐野氏と対立関係にあった足利長尾氏が、佐野領監視の為に取り立てた物見ではないかとも推測される。

　鳩ノ峰城は、峻険な山上に位置し、現在は取り壊された神社跡が残っているに過ぎない。神社跡の3段の平場があるが、いずれも神社建設に伴う構築とも考えられ、明確な城郭遺構は確認できない。背後に当たる北の尾根にも腰曲輪状の平場があることはあるが、切岸が不明瞭で遺構とは俄に断定し難い。城砦があったとしても、物見砦程度のささやかなものだったと思われる。

　尚、1/25,000地形図には、南西の尾根筋から登る山道が記載されているが、これを辿ったところ途中で道が無くなり、とんでもない急斜面を直登する難行となり、同行者からえらく恨まれた。遠回りでも樺崎城を経由して南の尾根から登るのが無難である。

　お城評価（満点=五つ星）：☆
　場所：https://maps.gsi.go.jp/#16/36.364652/139.512541/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

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