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真里谷要害城(千葉県木更津市) [古城めぐり(千葉)]

IMG_8307.JPG←ニノ郭外周の大空堀
 真里谷要害城は、歴史不詳の城である。天神台城と武田川を挟んで対面に位置する、標高100mの山上に築かれているが、城の普請は両者でかなり様相が異なっている。真里谷要害城は、高低差の大きな切岸と大規模な空堀を多用した城で、横矢掛かりも発達しているのが特徴である。

 城址北西端に秋葉神社があり、そこから城内に入ると、段曲輪の先に堀切を兼ねた横矢の掛かった横堀が穿たれている。その上に数段の段差で区画された曲輪があり、その先には深さ8m程、上幅15m程にも及ぶ大空堀が穿たれて、その上にそびえるニノ郭を防御している。ニノ郭は主郭の外周を廻る帯状の曲輪であるが、ここでも主郭との間を幅広の大きな空堀で分断し、その上に急峻な切岸で防御された主郭がそびえている。主郭は外周を大きな腰曲輪が廻り(前述の空堀はそのまま腰曲輪に繋がっている)、特に東面から南面にかけては高さ10m程の切岸で囲まれている。主郭の南西にも曲輪群が連なっているが、藪がひどく途中で引き返した。一方、主郭の北東には外郭が伸びている。この外郭は、主城部との位置関係や構造が千本城の「曲輪」地区と良く似ている。その先には円弧状の土塁で囲まれた、半円形の防衛陣地のような曲輪があり、その外周を巨大な三重空堀で囲んでいる。この空堀群は、深さは7~8m、幅は20m以上もある巨大なもので、明らかに鉄砲戦を意識した戦国末期の遺構である。この東側にも曲輪群がある様だが、藪がひどく諦めた。真里谷要害城は、大型横堀の効果的な配置や横矢掛かりが北条的であり、戦国末期の頃にこの地域に北条氏の勢力が伸びていたことを伺わせる、見応えのある遺構である。しかし城域全体が藪がひどく、殊に三重空堀に至っては倒竹地獄で移動も儘ならない。これほどの立派な遺構なのだから、今後の整備を望みたい。
腰曲輪にそびえる主郭→IMG_8347.JPG
IMG_8568.JPG←巨大な三重空堀の一つ
 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆(薮の分、減点)
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.372695/140.080253/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
タグ:中世山城
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イラブ

こんにちは、毎回とても楽しく拝見させて頂いています。
この城には自分も驚きました(断片的な探索ですが) しかしあのバンブー地獄には戦意喪失、思考停止、方向感覚麻痺と全く・・・ストレス大でした(笑)
他力本願ですが伐採され全貌が現れれば素晴らしいでしょうね。
自分も武田、里見系の在地勢力による築城ではなく北条末期ではないかと感じます。
しかしチバラギのバンブー地獄の手強さには負けます。
それでは失礼いたします。
by イラブ (2014-05-28 12:32) 

アテンザ23Z

>イラブさん
戦意喪失、思考停止、方向感覚麻痺・・・。まさしくその通りですね。おまけにその直前に行った天神台城もバンブー地獄が凄まじかったので、連チャンでマジで挫けそうになりました。栃木もなかなか酷いですが、関東の里山は手入れが放棄されて荒れてます。20~30年も経ったらどうなっていることか・・・。
by アテンザ23Z (2014-05-28 20:51) 

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