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大羽根城(千葉県市原市) [古城めぐり(千葉)]

IMG_8729.JPG←コブ状の多重堀切
 大羽根城は、『日本城郭大系』では音羽根城と記載され、天正年間(1573~92年)に安房里見氏が千葉氏と戦うために築いた城ともされるが、確かなことは不明である。

 大羽根城は、高滝湖に流れ込む養老川中流域の東岸にそびえる、標高119mの南北に長い丘陵上に築かれた城である。城域は広く、主城部だけでも南北500m程に及んでいる。しかし縄張りは単純で、主要な曲輪を一直線に連ね、曲輪間を浅い薬研堀の堀切で分断した形を基本形とし、その西側に広く長い腰曲輪を廻らしている。三ノ郭には中央に仕切り土塁が見られ、主郭背後にも土塁が築かれている。主郭背後に繋がる南の尾根には、コブ状の小型の多重堀切が穿たれており、規模も形も異なるが峰上城の七重堀切に似た雰囲気がある。主郭には背後から東側にかけて腰曲輪が廻らされ、そこから北東に伸びる支尾根にも物見台や堀切が築かれている。この他に、城域北端に近い曲輪の中央にも櫓台が築かれている。大羽根城は、遺構を見る限り技巧性は感じられず、堀切の浅く緩い造りから戦国初期までの運用の様に感じられる。或いは一時的な陣城として築いたものだろうか?いずれにしても、岡本城など戦国末期でも古風な城の多い里見氏の城という伝承は、首肯できるものがある。
三ノ郭の堀切→IMG_8694.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.332355/140.153016/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
タグ:中世山城
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